【あいちトリエンナーレ2019】芸術の祭典にいってきました
あいちトリエンナーレ2019に行ってまいりました
あいちトリエンナーレは2010年より行われている3年に一度の国際芸術祭です。
基本的にあいちトリエンナーレの展示作品の多くは、いわゆる現代アートです。そう、極彩色の絵の具をくっちゃくちゃにぶちまけたような絵だったり、不可思議な造形のオブジェだったりするアレです。
「草間彌生さんのかぼちゃなんかも有名ですね」
現代アートの多くは一見すると意味不明です。最近注目されているバンクシーなんかも現代アートのひとつですが、あれはかなりわかりやすい方です。
ただ、現代アートの面白いところはどんな作品にもなにかしらの「メッセージ」が込められている点です。それは社会風刺だったり、祈りだったり、抑圧された感情だったりします。注意深く作品を鑑賞していけば、そのような作者の意図のようなものが感じられることがあります(わからないことの方が多いですけど笑)。
そんな現代芸術の世界に行ってきましたので、その報告をします
「!?!?!?!?!?!?!?」
これは愛知芸術文化センター会場の序盤の作品
どでかい部屋に無数のピエロの人形が、いろんな格好でぐったりしています。
これは「夢を見る/おならをする/お願いする/嘘をつくなどの、一人の人間が24時間のうちに行う45のふるまいを表現した」ものなんだそう。
にしてもなんでタイトルが「Vocabulary of Solitude (孤独のボキャブラリー)」なんでしょうか、なんでみんなピエロなんでしょうか、なんでみんなぐったりしているんでしょうか。「きらびやかな衣装をまとってはいても、人はみんな孤独でこっけいなピエロのようなものだぞ」というメッセージなのでしょうか。
まあそれはそれとして、他のお客さんたちはピエロと一緒に寝そべって写真を撮ったりしていらっしゃる様子。
ここで残酷な事実に気が付いてしまいました。
「あれ、カップル率高くね!?」
なんということでしょう。
美術館って一人で来るものだと思っていましたが、あまりにも複数人で連れ立ってきている率が高い。私のように単身で乗り込んできている人などほとんどいないではないか。
どうやら一番のピエロは私だったようです。
「くっっっっそ!!!!!」
気を取りなおして進んでいくと、この場に似つかわしくないものが目に飛び込んできました。
「なんでDNase(DNA分解酵素)がこんなとこに?」
これは別にメインの展示物ではありません。ただ、個人的にびっくりしたので写真に収めたものです(あいちトリエンナーレでは多くの作品が撮影可です)。
これはDNAを分解するスプレーです。遺伝子に関しては専門ではないので詳しいことはわかりませんが、遺伝子実験をする際にコンタミ(外部から不要なDNAが紛れ込むこと)を防ぐ目的でつかわれるものです。当然、美術館にあるようなものではありません。
どうやらこれにもメッセージがあるようです。
この近くのモニターから「技術の発達により、1ナノリットル(1/1000000ミリリットル)の唾液から遺伝子分析によりたやすく個人の特定が可能。遺伝子にもプライバシーを。」という内容のビデオが流れていました。
この展示物のタイトルがInvisibleであることからも、「遺伝子分析技術の発達による弊害を訴えている」ことが読み取れました。さらにこのエリアには3Dプリンターに関しても似たような展示がされており、「人類は発達させたテクノロジーを適切に使いこなせていますか?」という問いかけを感じ取ることができました。
このような「アートを通したメッセージの投げかけ」に触れていくと、普段素通りしてしまうようなことにも足を止めてみたくなります。これも現代アートのいいところだと思います。
そしてあいちトリエンナーレ2019で、ある意味最も話題となったコーナーまでやってきました。
「表現の不自由展・その後」です。
詳しい説明は省きますが、猛烈な抗議のためにわずか3日で展示が中止となったことで話題となりました。
「なんか貼ってあるけど…」
どうやらこれは、さまざまな「自由を奪われた体験談」がつづられたメモのようです。
なるほど、そんなことがあるのね…というようなメモがある一方
「何してんの笑笑笑」
一見すると、ただの変態じゃねーか!というようなものですが、確かに表現の自由を奪われたといえなくもないですね(?)。
とにかく世の中にはいろんな不自由があるようです。
その後も様々な作品を鑑賞しました
などなど…
「はあ…もうムリ……」
最初に述べましたが、現代アートの醍醐味は注意深く作者の意図を読み取ることにあります。これはとても楽しい作業なのですが、いかんせん疲れる。これを3時間も続けていると最初のピエロのようにぐったりしてしまうのです。実際、会場である愛知県芸術文化センターにはベンチなどの休憩スペースが多く設けられており、ほかのみなさんもぐったりした様子で休憩していました(飽きちゃっただけかも)。
そんなこんなで、あいちトリエンナーレ2019を自分なりに楽しみ切ったと思います。
次に開かれるのは2021年。いまからちょっぴりたのしみです!